お詫びをするときのマナー&「誠意」が伝わる上質な菓子折り

アクシデントが発生し、先方へお詫びに行かなければならない際は、ぜひとも菓子折りを持っていきましょう。とはいえマナーを守らなければ、火に油を注ぐ結果になりかねません。

一般のあいさつと比べ、謝罪の場面では「知らなかった」では済まされない結果になることもあります。そこで本記事では、お詫びのマナーと謝罪にふさわしい菓子折りをご紹介します。

 

菓子折りとは?

知らず知らずのうちにマナー違反を犯さないためにも、まずは菓子折りの定義を確認しましょう。そもそも「菓子折り」とは、お菓子の外箱を指す言葉です。

昔は高温多湿な環境からお菓子を守るために、「折り箱」と呼ばれる木製の箱が使われていました。現代では木に限らず、紙やプラスチック、発泡スチロールなどで作られた外箱が使われます。

そして、この外箱に入れられたご進物用のお菓子自体を菓子折りと呼ぶのも一般的になりました。菓子折りは季節折々のごあいさつやお詫びの印としてやり取りされています。

このように、菓子折りの「折り」は「外箱」という意味であるため、スーパーで買えるようなバラバラのお菓子は相応しくありません。

お詫びの菓子折りを選ぶ際は、中身の種類や品質だけでなく、見た目にも気を遣いましょう。その心遣いが、誠意ある姿勢の表明につながります。

 

お詫びが必要になる場合とは?

たとえば信頼のおける相手に不手際をしてしまった際は、水に流してしまおう、と考える方もいます。しかし家庭でも会社でも、マナーをわきまえたお詫びができる人はひときわ信頼されるものです。

ここで誠心誠意のお詫びが必要になるシーンを確認しましょう。

 

ビジネスシーンでの謝罪

相手が上司にしろ取引先にしろ、ビジネスシーンでは「悪いことこそ早く報告する」のが鉄則です。何か失敗をしたら、早急にお詫びと報告をしましょう。

相手が取引先や社外の方、お客様の場合は、電話やメールでのお詫びに加え、直接会って謝罪することも多くあります。そこで悩みがちなのが、そもそも菓子折りを持っていくべきかどうか、という点です。

相手に「物で懐柔しようとしている」と思われてしまっては、今後の関係に差し障るかもしれません。しかし「お詫びでは菓子折りを持っていくもの」と考える方は一定数以上います

そこで直接会う際は、正しいマナーに即した菓子折りを持っていくとよいでしょう。訪問の目的はお菓子を渡すことではなく、あくまでも誠意を持って謝罪を伝えにきた、という姿勢を見せることが大切です。

 

交通事故の加害者になってしまった場合など

ビジネスの場面以外では、たとえば交通事故の加害者になってしまった際にも、お詫びが必要な場面があります。たとえば責任の所在が明らかにこちらにある場合は、謝罪に伺ってもおかしくありません。

他には、相手方に怪我人が出てしまった場合も謝罪を考えてよいといえます。この場合、謝罪と一緒に相手をいたわる気持ちも伝えることで、その後の話し合いを円滑に進められる可能性があります。

場合によっては謝罪はせずに、保険会社や弁護士に任せた方がよいという考え方もありますが、加害者という立場が明確である場合はお詫びを検討しましょう。

交通事故以外では、下記のようなときにお詫びする必要があります。

  • 火事やボヤ騒ぎを起こした
  • 外壁工事や引越などで騒音を出した など

謝罪では「いやだ」という感情が先立ってしまいがちですが、うまくいけば、自分にとっても良い結果になることも多くあります。まずは誠意を伝えることを意識して、お詫びの場に臨みましょう。

 

お詫びの菓子折りの選び方とは?

デパートや専門店で買う

謝罪の意を伝える菓子折りは、デパートやお菓子の専門店で買いましょう。今回は自宅で食べるお菓子を買うというわけではありませんから、スーパーなどで売られるようなお菓子は避けるべきです。

「適当な気持ちではなく、心の底からお詫びしたい」という気持ちを示すためには、格式の感じられるお菓子がふさわしいといえます。

 

軽すぎる品物は避ける

ご年配の方を中心に「菓子折りの重さは気持ちの重さ」と考える方も見受けられます。そこで謝罪時は、ずっしりと重みを感じられるお菓子を選びましょう。

本件を重く受け取っているという姿勢を示すには、クッキーやせんべいのような軽いお菓子よりも、ようかんやゼリーといった重みのあるお菓子が好適です。

 

流行のお菓子は避ける

流行のお菓子には気軽すぎる印象を持つ方もいます。そこでお詫びの菓子折りでは流行品を避け、伝統ある老舗の和菓子や、信頼のおけるブランドのお菓子を選択するとよいです。

「お詫び自体が日本独自の慣習だから、海外ブランドのお菓子は相応しくない」と考える方も見受けられます。お菓子選びに迷ったら、歴史ある和菓子を選ぶと間違いないでしょう。

 

訪問先の近所で買うのは避ける

謝罪の訪問前に近所で菓子折りを買うのは控えましょう。間に合わせのように購入した菓子折りは、相手に「簡単に済ませようとしている」という印象を与えかねません。

特にビジネスでの謝罪では、お菓子の準備に時間を取れないことも多くありますが、だからこそ腕の見せ所でもあります。限られた時間で丁寧に謝罪の菓子折りを選びましょう。

 

お詫びの菓子折りの相場はどのくらい?

お詫びの菓子折りは、状況や相手の立場によって、相場がまったく異なります。とはいえ、どんな価格の菓子折りでもよいというわけではありません。

あまりに安価な菓子折りは、相手へ軽薄な印象を与える可能性があります。高価すぎるものは「品物を渡すことで話を終わらせようとしている」という印象を植え付けかねません。

お詫びで贈る菓子折りの平均的な相場5,000円以上10,000円未満と言われます。状況の重さや相手との関係性、あなた自身のお詫びの気持ちも考慮に入れて金額を検討するのがおすすめです。

 

お詫びの菓子折りを渡す際のマナー

お詫びの品に熨斗は必要?

熨斗(のし)からはお祝い事をイメージする方も多いため、お詫びの菓子折りには必要ありません。菓子折りを包装紙に包んでもらうだけでもよいですが、心配なら無地のかけ紙をかけるのも1つの方法です。

とはいっても実は、お詫びのお菓子に熨斗をつけること自体はマナー違反ではありません。熨斗を付ける際は、紅白結び切りの水引の絵柄を選び、表書きには「御詫び」と記載するのがマナーです。

お詫びで使える表書きの例

一般的に使う表書き

  • 粗品
  • 松の葉(目上の方に使う)

お詫びの気持ちを込めた表書き

  • 御詫び
  • 陳謝
  • 深謝

 

お詫びの菓子折りの渡し方

菓子折りを持ち、相手先へ出向いたら、第一に謝罪を言葉にして伝えます。相手が謝罪を受け入れてくださったあとに菓子折りを渡すという順序が重要です。

「お菓子で許してもらおうと考えているのでは?」と思われないためにも、この順序を念頭に置くのがよいとされています。

場合によっては相手から許しを得られず、菓子折りの受け取りを拒否されてしまうこともあります。その際は、無理強いせず、持ち帰るのがマナーです。

謝罪はこの上なく緊張するシーンの1つですが、順序を守り、マナーを心掛けることで、今後は良い関係を築くことも可能です。お詫びの気持ちを第一に考え、落ち着いて菓子折りを渡しましょう。

 

おすすめの菓子折り

ようかん

ずしっとした重たいお菓子で陳謝する気持ちをお伝えしたいなら、ようかんの菓子折りがおすすめです。ようかんは「重い・日持ちする・格式ある商品が多い」という理由から、お詫びの定番ともいえます。

品格や味を心配することなく渡したい方は、ぜひ名の通った有名店のようかんを購入しましょう。

 

とらや 小形羊羹 ようかん 10本セット

とらや 小形羊羹 ようかん 10本セット

日本人なら誰もが知っている皇室御用達の和菓子店「とらや」は、室町時代後期から続く老舗です。

ずっしりと重いこちらの商品には、定番の「夜の梅」や、国産紅茶を使用したようかんなど、5種類の味が10本入っています。

世間には「なぜかとらやのようかんなら許せる」という意見もあり、格式を重んじるお詫びのシーンでは間違いのない菓子折りです。

 

極純栗羊羹 1本 桐箱入り

極純栗羊羹 1本 桐箱入り

謝罪相手も納得の格式ある菓子折りを選ぶには、きり箱入りのものを選ぶのもおすすめできます。キッチリきり箱に詰められたこちらのようかんは、風味豊かな栗の渋皮煮がちりばめられた豪華な一品です。

製造元の「丸三老舗」江戸時代創業の名店でもあり、お詫びの場で安心してお渡しできます。

 

まんじゅう

見るからに謝罪の雰囲気のある菓子折りを持っていきにくい場合には、まんじゅうを選ぶ方も多くいます。饅頭は、高級品の用意がある老舗和菓子店も多く、上品な雰囲気で重宝されるお菓子です。

ようかんとは異なり、お持ちする個数を増減しやすいのも助かります。相手の年齢や季節にかかわらず、謝罪の場を落ち着かせる菓子折りとなるでしょう。

 

満月・もみじ6個セット

満月・もみじ6個セット

上質な抹茶とバターが香り高いもみじまんじゅうとケーキのセットは、落ち着いた雰囲気でお詫びの場をまとめるのに最適です。

まんじゅうにはしっかりと重みが感じられ、ケーキからは抹茶のほろ苦さを感じられます。「この度の事態を大変遺憾に思っている」という気持ちを託してお持ちしましょう。

 

水まんじゅう8個入

水まんじゅう8個入

初夏から夏場のお詫びでおすすめなのが「丸三老舗」の水まんじゅうです。涼しげな見た目とひんやりとした味わいは、事案の収束に一役買うでしょう。

 

カステラ

謝罪相手が和菓子、洋菓子のどちらを好むか分からない場合は、カステラの菓子折りをお持ちしましょう。カステラ1本丸ごと包まれた菓子折りは重さも十分です。化粧箱入りなら格式の高さも感じられます。

常温保存で1週間以上日持ちするカステラも多く、保存で煩わしい手間をかけさせてしまう心配もありません。

 

「文旦堂」の 選べるカステラ

大人数が所属する部署へご迷惑をおかけした際は、「文旦堂」のカステラ3本セットがおすすめです。無添加でありながら賞味期限は約2カ月間あり、先方へ急いで食べきるような手間もかけません。

新鮮な卵や高級ザラメ糖などの材料にこだわり、昔から続く手焼き製法で丁寧に仕上げているため、お詫びの品としても安心です。

 

壱岐産アムスメロンカステラ

謝罪の菓子折りでは奇をてらう必要はありません。しかし「先方に喜ばれそうだ」という見込みがあるなら、珍しいメロン味のカステラもよいでしょう。

開封した瞬間感じられる芳醇なメロンの香りは、地元の方でも手に入れにくいほど希少な壱岐産アムスメロンのものです。相手が長崎県出身の方や、地方の特産品を好む方にもおすすめです。

 

焼き菓子

「隣家の車に傷をつけてしまった」「クラスメイトにケガをさせてしまった」といった子供のトラブルでは焼き菓子も向いています。

焼き菓子を用意しているお店は老舗から有名店まであり、先方に合わせて選びやすいのが特徴です。

子供がいる家庭では、和菓子よりも、クッキーなどの焼き菓子が好まれることも多くあります。家族で手軽に食べやすいため、もらう側としても受け入れやすいのが焼き菓子の菓子折りです。


焼き菓子詰め合わせ

焼き菓子詰め合わせ

子供関連の謝罪の場には、茨城県の洋菓子専門店「ラ・プロヴァンス」の焼き菓子詰め合わせを携えて行きましょう。クッキーやメレンゲ菓子などの多彩なお菓子を、15種類程度詰めた菓子折りです。

お店には、菓子専門店として培ってきた60年以上の歴史があります。こだわり抜かれた素材を使い、確かな技術のもとで生まれたお菓子の味はやさしく、ご家庭の雰囲気を和らげてくれるでしょう。

 

ガトーフェスタハラダ ラスク

ガトーフェスタハラダ ラスク

銘菓として知られるこのラスクは、1901年に創業した和菓子店をルーツとした「ガトーフェスタハラダ」が提供しています。格式はもちろん、味も品質も上質で安定感があるのが特徴です。

トレンドのラスクのように派手な装飾を施さず、おとなしい印象を与えるため、誠意を伝えたいシーンにもふさわしい焼き菓子です。

 

生菓子

お詫びの場にお持ちする菓子折りは、あえて賞味期限が短いものを選ぶという考え方もあります。

ネガティブな出来事に起因するお菓子が長期間そばにあると、相手は見るたびに嫌な気持ちを思い出すかもしれません。この可能性に配慮し、すぐ食べ切らなければならない生菓子を渡す方もいます。

謝罪の品として生菓子を選ぶ際も、これまでご紹介した菓子折りと同様、格式のあるお店の品物を購入するようにしましょう。

淡路島 北坂たまご 卵まるごとプリン

淡路島 北坂たまご 卵まるごとプリン

卵まるごとプリンは一見ただの卵ですが、パカッと割ると中身がプリンになっているユニークなお菓子です。ユニークとはいえど、とっぴな印象を与えるお菓子ではありません。

新鮮な卵を独自の技術でプリンに仕上げており、材料は卵100%、添加物不使用で、謝罪の相手にも安心してお渡しできます。

アクシデントをきちんと収拾してからお渡しすれば、珍しいお菓子を前に先方の心もホッとほころぶでしょう。

 

「銀座千疋屋」銀座フルーツジュレ

「銀座千疋屋」銀座フルーツジュレ

生菓子を探しているものの、やはり日持ちする菓子折りのほうがよいと考えている方は「銀座千疋屋」の銀座フルーツジュレがおすすめです。

千疋屋の総本店は江戸時代創業と歴史も深く、果物専門店としての格式は申し分ありません。老若男女幅広く愛されるフルーツジュレの菓子折りをもって、お詫びの場へ向かってみてはいかがでしょうか。

 

上質な菓子折りをもって誠意あるお詫びを

お詫びの場にお持ちする菓子折りは、付属品のようなものです。まずは謝罪の言葉を重視し、誠意を伝える対応をしましょう。

とはいえ、場に合わない菓子折りを持って行ってしまっては、せっかくの謝罪も意味がなくなってしまいます。

お詫びにふさわしい上質な菓子折りは、あなた自身の株を上げる可能性も秘めています。ぜひとも謝罪にぴったりな菓子折りをえらんでください。