皆さんは新年の挨拶である年始回りをしたことはありますか?最近は行わない人も増えてきましたが、実は昔から行われている大切な意味を持つ慣習です。新年の挨拶をスマートに行い、幸先の良いスタートを切りましょう。本記事では、新年の挨拶に関するマナーやふさわしい手土産をご紹介します!
目次
【新年の挨拶】年始回りってなに?どんな意味があるの?
年始回りとは、日々の生活や仕事の場などで特にお世話になっている方に、手土産を持参して新年のあいさつに伺うことを指します。江戸時代に商売人の方が手土産を持参して新年のあいさつを行うことを「お年始」といい、それが年始回りの名前の由来となっているようです。
最近では時代の流れもあってか年始回りを行わずに、年賀状やメール・電話などで済ませてしまうケースの方が多いという話も耳にします。
しかし、本来は直接ご挨拶に行くのが正式なマナーです。特にお世話になっている方には、直接あいさつに伺うようにした方が良いでしょう。
年始の訪問マナーを確認しよう
訪問日/訪問時間
年始回りがどういうものなのかを学んだところで、続けて訪問する理想のタイミングに関してもチェックしておきましょう。
まず日にちに関してですが、一般的に年始というのは1月4日~1月7日までのことを指しているため、この期間内に伺うようにしましょう。
個人ではなく企業へのあいさつ回りの場合も、基本的には年始期間内に伺うのがマナーですが、この時期に担当者様が長期的にお休みを取られているケースも珍しくありません。
そんな場合は、1月15日までにあいさつに伺えばマナー違反にはなりませんので、こちらも併せて覚えておきましょう。
個人・企業のどちらに挨拶に行く場合であっても、元旦は避けるのがマナーです。また、年始期間内に伺う場合であっても、相手方の都合等もあるため、伺う前に予定の確認をしてから伺うのがベストです。
最後に伺う時間帯ですが、こちらに関してはお正月はゆっくり過ごしたいと考える人が多いことから、午後1時~2時位の時間帯に伺うのが理想とされています。
お年玉
意外と見落としがちですが、挨拶に伺う相手にお子様がいらっしゃる場合は、お年玉を持参するのを忘れないようにしましょう。
ただしご挨拶に行く相手の方が上司の場合は、現金で持っていくのはマナー違反だという考え方もあるため、図書券などでお年玉を持参するのが無難です。
続けてお年玉の金額に関してですが、こちらはお子様の年齢によって金額が変わってきます。
下に大まかな年代ごとの金額と、ちょっとした注意点を併せて記載しておきますので、お年玉を準備する際はぜひこちらもご活用ください。
- 小学校低学年:1000~3000円
- 小学校高学年:3000~5000円
- 中学生以上:5000~10000円
※お金でお年玉を持参する場合は新札を用意すること。
※お年玉は、お年玉袋またはポチ袋に3つ折りにして入れること。
訪問時の服装
厳密な決まりはありませんが、年始回りの際に適した服装も存在しますので、こちらも忘れずにチェックしましょう。
先程は仰々しく適した服装と言いましたが、基本的にはカジュアル過ぎない服装であれば問題はありません。
具体的に言うなら、男性の場合は濃い紺色やダークグレー色のダークスーツ、女性の場合は、派手過ぎないワンピースやスーツ、もしくは小紋の衣装、この辺りが無難です。
また、複数人で伺う際は、女性は小紋なのに男性がTシャツとジーパンといったような、衣装に差がありすぎないように配慮することも忘れずに。
もっと親しい間柄(友人や親族など)の相手の元に伺う際は、上で紹介した衣装より少しカジュアルな衣装であっても大丈夫です。
手土産の選び方
贈る相手の年齢や好みを考えて選ぶ
定番の考え方になってしまうかもしれませんが、好みの物をもらって喜ばない方はあまりいないので、相手の好みを考慮して手土産を選ぶのはオススメです。
ただし、いくら相手の好みの物とは言え、伺う度に毎回同じ手土産を持参してしまうとさすがに飽きられてしまいますから、同じ手土産が続かないように配慮することは必要でしょう。
正月らしい縁起のいいものを選ぶ
年始回りの手土産であれば、正月感を感じられる縁起のいい物を手土産に選ぶのもオススメです。意外とこういったアイテムの種類は多いので、代表的な縁起物を下にいくつかまとめておきます。
こちらもぜひ参考にしてみてください。
- 瓢箪(ひょうたん)
→見た目が末広がりな形状をしていることや1度入った幸せが外に出ていかない、といった意味を持つため、昔から縁起物として広く認識されています。
また、3つ揃うと「3拍子(3瓢子)揃う」、6つ揃うと「無病息災(六瓢息災)」、といった語呂合わせがあるのも大きな特徴です。
- 豆
→おせち料理にも使われているのでご存知の方も多いかもしれませんが、「まめ(豆)に生きる」、「まめ(豆)に働く」といった語呂合わせがあるため、縁起物とされています。
- カメ
→「鶴は千年、亀は万年」ということわざが指し示す通り、長寿をイメージさせる縁起物です。
- タヌキ
→タヌキは「他抜き」と語呂合わせすることができ、「他人より抜きんでる」という意味合いで縁起物として親しまれています。
- 鯛
→こちらは有名なので説明するまでもないかもしれませんが、「めでたい(鯛)」という語呂合わせで昔から親しまれている縁起物です。
- フクロウ
→フクロウは首が良く回るのでそこから転じて、「借金で首が回らない」ということが起きない、という意味合いで縁起物とされています。
また、フクロウにも「不苦労」という語呂合わせがあり、苦労しないという意味合いも有しているようです。
- うさぎ
→うさぎが縁起物とされているのにはいくつか理由があります。
坂を登るスピードが速いのでトントン拍子に事が進む、後ろ脚が大きいので物事が前に進む、赤い目が魔除けの役割を持っている、等の理由で縁起物と認識されることが多いです。
日持ちのするものを選ぶ
食ギフトを手土産に持っていこうと考えている方は、日持ちのする物を持参するようにしましょう。
ほとんどの方が同じ位のタイミングで年始回りで伺うため、日持ちしない物を持参してしまうと急いで食べなくてはならず、結果として相手の方に気を使わせてしまいます。
また、お正月の前に食材を買い溜めしておくことも珍しくなく、手土産をもらっても冷蔵庫に入れられないケースも多いです。そのため手土産として持参するなら、冷蔵が不要で日持ちする食ギフト、というのが一番理想的とも言えるでしょう。
地域の特産品や限定ものは喜ばれる
遠方にお住まいの方の元に年始回りで伺う際は、自分が住んでいる地域の特産品や地域で限定販売されている物を持参するのもオススメと言えます。
自分にとっては身近な物かもしれませんが、相手の方からすると遠出をしないと手に入れられない物なので、意外と喜ばれることが多いです。
また、こちらはちょっとしたテクニックですが、手土産を渡す際に「こちらは地元で人気の商品なんですよ」と言った内容をさりげなく伝えると相手の期待値がアップします。
手土産の渡し方
手土産を渡すタイミング
相手の方に手土産を渡す際にもいくつかマナーがありますので、ここも疎かにしてしまわないよう注意しましょう。
手土産を渡すタイミングに関しては、状況によって多少の違いがあるため、代表的なシーンを想定し、それぞれのパターンでの適したタイミングをご紹介していきます。
- 洋室に通された場合
→まず座る位置ですが、出入り口に最も近い位置が下座になるのでそちらに座るようにしましょう。
また、洋室の場合は立った状態で挨拶をするのが正式なマナーとされているため、手土産を両手で持ち、手土産の正面を相手の方に向けて渡すようにしてください。
- 和室に通された場合
→和室の場合も洋室の時と同様、下座に座るのが正しいマナーとされています。
床の間がある和室の場合は床の間の前が上座になり、床の間が無い和室の場合は出入り口から一番遠い席が上座なので、こちらも覚えておきましょう。
和室の場合は、挨拶を終えた後に紙袋から取り出し手土産の正面を相手の方に向け、畳をするようにして渡す、もしくは両手で持って渡す、というのがマナーとされています。
- 取引先を訪問した場合
→こちらのケースの最適なタイミングは、相手の方が椅子に座る前か座ったすぐ後に渡すのが一般的ですので、挨拶や名刺交換が終わったタイミングで渡すのがオススメです。
相手に手土産を渡す際に紙袋から出すのも良いですし、先に応接室などに案内されて相手の到着を待つ時間がある際は、手土産を紙袋から出しておくとスムースに渡せます。
先に手土産を出しておく場合はソファーの上、もしくはテーブルの下座側に置いておき、手土産を渡す際は相手の方に正面を向けて渡してください。持参した紙袋は折りたたんで持ち帰るようにしましょう。
一言添えて渡すことが大切
手土産を渡す際には「ほんの気持ちですが」「みなさんで召し上がってください」などいった一言を添えて渡すと印象もだいぶ変わってきます。
手土産のちょっとしたアピールポイントを一言二言付け加えて渡すと話のきっかけ作りにもなるので、可能ならこちらも実践してみてください。
ただし、調子にのって手土産のうんちくなどを熱く語りだしてしまうと、相手の方に悪い印象を与えかねないため、やりすぎないよう注意しましょう。
手土産の予算相場は?
それでは続けて、気になっている人も多い予算相場に関してご紹介していこうと思います。
手土産の予算相場は、取引先以外の相手に渡す場合は、1000~3000円程度、取引先の方に渡す場合は、5000円程度、が一般的な相場とされているようです。
金額が低いように感じる方もいるかもしれませんが、手土産の金額が高すぎると相手に気を使わせてしまうので、上記の範囲をあまり超えないように意識してみてください。
手土産にのし・風呂敷は必要?
【のし】
熨斗(のし)に関しては、手土産を渡す相手が両親の場合は不要、両親以外の場合は必要、といった感じで覚えておくと間違いがないでしょう。
「外のし」「内のし」のどちらがいいか?という点に関しては厳密に言うと決まりはありません。しいて言うならば、年始回りの手土産は基本的に相手の方に手渡しする物であるため、手渡しするのに適している「外のし」を選ぶのが無難と言えます。
また、のしの水引もいくつか種類がありますが、今回は何度あっても良いお祝いごとに分類されるので、何度も結び直しができる蝶結びになっている水引を選びましょう。
続けて表書きに関してですが、筆・筆ペン・サインペンのどれかを使用し、「御年賀」「御年始」「賀正」のいずれかを記載すれば大丈夫です。文字の色が薄かったり、ボールペンを使用して書く、というのはマナー的にも良くないので注意してください。
【風呂敷】
手土産をそのまま持参するのは失礼にあたるため、風呂敷、もしくは紙袋に入れて持参するようにしましょう。
基本的には風呂敷・紙袋、どちらでも問題はありませんが、見た目的には風呂敷の方が丁寧な印象を与えやすいので、相手や状況に応じて使い分けるのも良いでしょう。
また、時々TVの番組などでもやっているためご存知の方も居られるかもしれませんが、風呂敷は工夫次第でいろんな形の物を包めるという特徴も有しています。
新年に喜ばれる手土産【ジャンル別】
和菓子
素材にこだわって作られたどら焼き
家族みんなで新年早々に食べるのであれば、ケーキよりもどら焼きのような和風の物がよいでしょう。北海道産の厳選小豆を炊いた粒あんと新鮮な食材を使い、丁寧に焼き上げられたどら焼きは幸せな気分にしてくれます。
10個入りとたくさん入っているので、家族みんなで分けやすいのもオススメのポイントです。
有名和菓子店・とらやの羊羹セット
味の違う羊羹のセットは手軽に楽しんでもらえる人気の品です。一本一本こだわって作られており、カナダ産のはちみつや沖縄産の黒糖など、素材から上質な物を使っているので自信を持って渡せます。
色んな味を気軽に楽しめるえびせんべいの詰め合わせ
こちらはいろんな味が詰め合わせになっていて、気分によって食べるお煎餅の味を変えられるので、手土産にもオススメです。えびの姿焼きやベッコウ焼などのバラエティに富んだお煎餅が入っており、素材はもちろん焼き方にもこだわって作られています。
洋菓子
人気パティスリーが手掛けた焼き菓子のセット
小分けされた焼き菓子は日持ちし、もらう側も困ることが無いため、甘い物好きの人やそうでない人にも喜んでもらえるギフトです。こちらは人気のパティスリーが手掛けた焼き菓子の詰め合わせで、味もお墨付き。自信を持って新年の挨拶ができます。
無添加で作られたおいしいクッキー
クッキーは消費期限が長く、詰め合わせであれば味の種類も豊富なので、長期的に楽しめるオススメの手土産です。こちらのクッキーは無添加で作られているため、お子様などにも安心して召し上がっていただけます。
神奈川なでしこブランドにも認定された焼き菓子の詰め合わせ
こちらの海老名いろはがるたは、神奈川なでしこブランドで認定されるほど有名な焼き菓子の詰め合わせギフトです。手ごろな価格なので、相手の方も気を使わずに受け取ってくれることでしょう。
お酒
6種類の日本酒がセットになった飲み比べセット
新潟の蔵元「高野酒造」の日本酒ミニボトルが6本もセットになっているので、家族や友人と飲み比べができ、お酒好きにはたまらないギフトになるでしょう。
また、そのうちの1本のラベルに名前やメッセージを入れられるため、ギフトとして贈るのにもピッタリの一品です!
全国各地のこだわりビールが楽しめるビールの詰め合わせ
こちらは日本全国のクラフトビールを集めた詰め合わせギフトです。各メーカーのこだわりビールを集めた贅沢なセットは、新年のお祝いをより賑やかに盛り上げてくれます。
金箔が入った華やかな見た目の本格派いも焼酎
栗より甘い、甘いもを使用して作られた本格焼酎で金箔も入っているため、新年のおめでたい雰囲気にピッタリのお酒のギフトです。ラベルに名前も入れられるので、自分のために用意してもらった感が高く、飲んだ後もインテリアとして飾っておけます。
グルメ&調味料
新鮮なお魚のうまみを凝縮した海鮮お茶漬
九州で水揚げされた新鮮なお魚たちを秘伝のたれに漬けて味付けした海鮮お茶漬のギフトセットです。海鮮は人によってはアレルギーがあるので気をつけなければなりませんが、好きな人にとっては天国のようなギフトとも言えるでしょう。
鮮魚の旨味を存分に味わって頂けるので、新年早々ちょっとした贅沢なご飯を楽しんでいただけます。
ご飯やお酒のお供にもピッタリな練り物の詰合せ
こちらは職人さんが手揚げしたさつま揚げや、ワサビの産地として有名な伊豆天城産のワサビを漬けたワサビ漬けなど、一品一品素材にこだわって作られたギフトセットです。
練り物はご飯やお酒のお供としても最高なので、新年の挨拶としてお渡しすればきっと喜んでもらえるでしょう。
昔から愛されているおかずの定番・佃煮の詰合わせ
昔から佃煮はご飯のお供に最適なおかずとして、多くの方に親しまれてきました。こちらは複数の味の佃煮が詰め合わせになっているギフトなので、新年で家族が集まった際にみんなで美味しくいただけるギフトとして人気が高い一品です。
お茶/コーヒーギフト
ワンランク上のおいしさが引き立つお茶のギフト
いいお茶はリラックスタイムの最高のお供ですが、なかなか自分で買うことがないので、手土産として持参すればきっと喜ばれるでしょう。お茶の名産地として有名な静岡のお茶で、口の中に広がる豊かな香りとほんのりとした甘味は新茶でしか味わえません。
スターバックスの味が自宅でも楽しめるコーヒーギフト
老若男女を問わず、多くの方から親しまれているスターバックスの美味しいコーヒーを自宅で楽しめる画期的なギフトです。スターバックスのコーヒーはそれぞれ特徴があり、味も全然違うので、好きな味を発見できるキッカケにもなるかもしれませんね。
大正ロマン茶
商品画像を見てもわかる通り、可愛らしいパッケージになっている紅茶のセットなので、ギフトにも最適の一品!お相手の方の好みをリサーチして、ぴったりなフレーバーを選んでみましょう。
きちんとした新年の挨拶で、幸先の良いスタートを切りましょう!
ここまでいろいろとご紹介してきましたが、活用できそうな情報はありましたでしょうか?新年の挨拶は、一年の初めで何かと気を使うことが多いかもしれませんが、しっかりと考えて相手の欲しい物を選べるよう心掛けてみてくださいね。